No.33

特にテーマはございません。日常で見たり聞いたり考えたことを、徒然なるままに。

私的コレ聴け5選2018

今年もあまりCDを買わない1年でした。

というワケで今回もボリューム減でお送りします。

 

※数字は順位ではないので悪しからず

 

1.Sons of Kemet「Your Queen Is A Raptile」

Your Queen Is A Reptile

Your Queen Is A Reptile

 

全9曲が全て「My Queen Is~」から始まる曲名で構成されるアルバム。

縦横無尽に吹き流れていくサックスがカッコいいです。

UKジャズのバンドということですが、あまりジャズっぽくなくて、ラテンやアフリカンな空気を持つ民族音楽のニオイがすると言うか、踊れる音楽。

いつの間にか、アルバム1枚聴き終わっている。文字通り、音楽に没頭できます。

 

2.Alice Phoebe Lou「Orbit」

Orbit

Orbit

 

 

南アフリカ出身でベルリンを拠点に活動しているSSWが日本デビュー。ぇー、グローバルさがぶっ飛んでてよくわかりません。笑

そんな御託は置いといて、またイイ感じの歌声を持った方ですね。Aimee MannDidoに連なる系譜という感じで気に入りました。

ストリートでの演奏からキャリアがスタートしてるのはスゴい。そして、そこから始まるケースもあるってのが素晴らしい。

じんわりしっとり染みてく1枚。

 

3.TRAMPOLENE「Pick A Pocket Or Two」 

ピック・ア・ポケット・オア・ツー (PICK A POCKET OR TWO)

ピック・ア・ポケット・オア・ツー (PICK A POCKET OR TWO)

 

 

今年の出会えて良かった枠。

Loud盤とQuiet盤の2枚組アルバム。全28曲の大ボリュームで大満足。

LoudはかっけぇしQuietは聴かせるし、このバンドの幅と厚みを見せつけてくれます。

オススメは、Loud盤の2曲目「Divided Kingdom」。冒頭のリフが最高に痺れる!!

UKロックシーンはホント、次から次にイイ感じのバンドが出てきてくれるので追うのが楽しいですね。

 

4.The Vines「In Miracle Land」

IN MIRACLE LAND

IN MIRACLE LAND

 

 

こちらは以前から追ってるUKロックバンド、The Vinesの4年ぶり新作。

前作はイマイチハマらなかったのですが、本作はややグランジ方向に舵を切ってきたのかなという印象でツボな1枚です。

特に3曲目の「Leave Me Alone」は、Nirvanaの「Smells Like Teen Spirit」を彷彿とさせてくれる傑作だと思います。

 

5.Serph「Aerialist」

Aerialist [NBL-224]

Aerialist [NBL-224]

 

 

作品はコンスタントに出してるけど、なかなか表に出てきてくれないアーティスト、Serph。そんな彼のライブに今年行けたのは嬉しかったですね。

そのライブの1週間後にリリースされた今作。「Aerialist」という題名さながら、Serphらしい浮遊感満載の曲達が詰まってます。

 

今年は他に、Mammal HandsとGoGo Penguinという、大好きな2大海外ジャスバンドのライブも観に行けたのもとても嬉しかったです。生で聴くとやっぱ凄味が違う!

一大ニュースともなったELLEGARDENの復活ライブはチケット外れて涙をのみましたが。。。

 

そんなこんなの今年の音楽たちとの出会いでした。 

で、2013年から続いているコレ聴け企画ですが、今回で最後とさせて頂きます。

理由は、音楽を聴く軸がストリーミング系のサービスに移ってきており、結果、発売年に限らない聴き方が主となっている事で、こういう形でまとめることが困難になりつつあるからです。

最近の音楽に対する付き合い方として、1枚のアルバムや1組のアーティストという単位でのレビューを行う方がより自然かなぁ、という思いが強くなっている為、そういう形式に変更します。

(となると書くきっかけが無くなり書かないのでは、という危惧もありますがその辺は今後のお楽しみというワケで(逃

 

というワケで、本企画は最後となりますが読んで頂きありがとうございました。

ではまた、その内。良いお年を。

私的コレ観よ10選2018

今年も残すところあと2日。

恒例の1年振り返り企画やっていきましょう。

 

※数字は順位ではないので悪しからず

 

1.「心と体と」


映画『心と体と』予告編

 

特にチェックもしておらず、フラッと劇場へ行ったらたまたまやってて大当たりだった本作。

同じ夢を見ている、という不思議を介して展開していくラブストーリー。

2人の主人公がとても不器用で観ていてかなりヤキモキ(特に男の方に!)しましたが、観終わった後の余韻は何とも言えず、心の色んな部分を揺り動かしてくれました。

変わらない日常に倦んでしまったりした時などいつかまた観たくなる。そんな1作。

ハンガリー映画はノーマークな領域だったので、これから気にしていきたいと思います。

 

2.「ボヘミアン・ラプソディ


映画『ボヘミアン・ラプソディ』最新予告編が世界同時解禁!

 

説明不要の大ヒット作!今年、唯一、2度劇場で観た作品です。

クイーンという材料を的確に料理して作品に仕立て上げているのはもちろん、メンバーを演じた役者さん達がとても素晴らしかった。

ラストのライブシーンは、ハンズアップしようとする身体を抑えるのが大変でした。笑

賛否両論な評価を見ますが、私はクイーンの事に詳しいわけではない分下手に拘りもなく、その点本作を単純に楽しめたように思います。

 

3.「ファントム・スレッド


『ファントム・スレッド』90秒予告編

 

ダニエル・デイ=ルイスの引退作と聞いたら観に行かないわけにはいかない!と勇んで観たらとんでもないお話でした。

衣装がスゴい!とかダニエル・デイ=ルイスの存在感凄まじい!とか、そういう(言ってしまえば期待通りの)部分を差し置いて、話のオチに全て持ってかれました。

ヒトの営みってのはそれぞれで千差万別ですが、こんな形もあるのかぁ、、と、個人的には認知の外から殴り込まれた感。

ソフト出てきたら何度か観返して、落ち着ける場所を探したいと思ってます。

 

4.「くるみ割り人形と秘密の王国」


「くるみ割り人形と秘密の王国」本予告編

 

インターステラー」のマーフ(の幼少期を演じたマッケンジー・フォイ)が主演ですよ!という、かなりミーハーなテンションで観に行きました。

ストーリーは王道のファンタジーで落ち着いて観てられるものでしたが、とても綺麗なシーンが多くて感激。

この作品も衣装がとても素敵でしたね。クララ(=マッケンジー・フォイ)の軍服姿とかカッコよ過ぎでしょう!

あと、想定してなかった所で、キーラ・ナイトレイがハマり役でした。こういうタイプの役ができるとなると、今後が楽しみです。

 

5.「シェイプ・オブ・ウォーター


THE SHAPE OF WATER | Official Trailer | FOX Searchlight

 

私的、今年のベスト・オブ・ファンタジーはこちら。ギレルモ・デル・トロ監督がやってくれました!!

涙なしには観ていられないラスト。とても美しいラブストーリー。

そんな素晴らしい脚本とがっちり組み合わさった、主演のサリー・ホーキンスを始めとする出演者たちの演技も素晴らしかったです。

1年に1度は観返して噛み締めたくなる。そんな名作だと思います。

 

6.「レディ・プレイヤー1


READY PLAYER ONE - Official Trailer 1 [HD]

 

ファンタジーと来たらSFも!というので続いてはこちら。

冒頭でヴァン・ヘイレンの「JUMP」が流れる所からずーとニマニマが止まらないのです。

映画のあっちこっちに、他の作品へのオマージュが散りばめられていて、それを探すのが楽し過ぎるのです。

作品の舞台も、現代から地続きかも知れない未来であり、ヒトが積み上げてきた文化のある部分をしっかりリスペクトしたものだと思います。

そういう姿勢をスピルバーグ監督が全力で出してきてて、面白くないわけがない。

全ては虚構と言ってしまえばそれまでだけど、こういう形の愛もとても素敵なモノですよね。

創作って素晴らしい!そう思います。

 

7.「A GHOST STORY / ア・ゴースト・ストーリー」


A Ghost Story | Official Trailer HD | A24

 

創作の魅力として、現実を別の見方で提示してくれるというのがあります。

その魅力、強みをいかんなく発揮してくれている本作。

ある場所と、そこに確かに連なる歴史と、そういう普段は頭の片隅に浮かびもしていなかった視点を考えてみるきっかけをくれました。

ちょっと退屈してしまいそうなほど静かに淡々と話は進んでいく。そういう雰囲気が苦手な方にはお勧めしかねますが、個人的には好きな空気を持つ作品。

それにしても、最後のアレ、何で見せてくれなかったんだ。気になって仕方がない!笑

 

8.「フロリダ・プロジェクト」


5/12(土)公開『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』本予告

 

Twitterで、映画分野で信頼できる評価を出される方が推してたので観に行った1作。

ラストの持って行き方が話題になってますが、個人的にはそこに至るまでのドラマとそれを演じる役者の皆さんが素晴らしいし評価したい。

ウィレム・デフォーにこの役を充ててくれたのが嬉しい。「グランド・ブダペスト・ホテル」の殺し屋役とは180度対極です!笑

ラストから考えるに、現実のすぐ隣にある虚構、とでも言いますか、あるヒトの非日常は別のあるヒトの日常であったり、そういう所が焦点なのかな、と思います。

食べ物を粗末に扱うシーンが好み的に引っ掛かりますが、何度か観返して考えを深めたい作品でした。

 

9.「スリー・ビルボード


『スリー・ビルボード』日本版予告編(アカデミー賞®受賞!)

 

役者のパワーという点では、今年最も強烈に感じられた1作。

シェイプ・オブ・ウォーター」のサリー・ホーキンスを抑えて、今作のフランシス・マクドーマンドがアカデミー主演女優賞を取ったのも頷けます。

ストーリーも素晴らしく、とてつもない怒りを抱いた時、ヒトは、自分はどう振る舞えるのか。どこかに救いはあるのか。しっかり考える価値のあるテーマをきっちり表現されています。

本作と 「フロリダ・プロジェクト」にも出てたケイレブ・ランドリー・ジョーンズは、今後、注目していきたいです。

 

10.「ダーク・タワー


THE DARK TOWER - Official Trailer (HD)

 

最後は完全なる趣味枠です。

スティーヴン・キング原作の少年主役のファンタジー作品。これが面白くないワケが無い。

しかも、敵役は大好きなマシュー・マコノヒー。彼が悪役って珍しい気がするけど、しっかりハマってました。

更に、「マッドマックス 怒りのデスロード」で気になったアビー・リーも出てたという。

キングのファンタジーの雰囲気は大好物なんですよね。続編あるかな~望み薄っぽいですけど、待ってます!!

 

そんなこんなの今年の映画たちとの出会いでした。

来年は何と言っても「アリータ: バトル・エンジェル」が楽しみです!

 

ではまた、その内。

母方の祖母が亡くなった話

先月の出来事であるが、母方の祖母が亡くなった。

 

祖母はしばらく前から寝たきりになっていて、この4月に機会があって会いに行けたのだけど、ちょっと気を抜くとすぐ眠ってしまうような状態で、生命力がすっかり失われようとしているのが見て取れた。

この時、もう長くはないのだな、と確信を抱いたので、内心で最後のお別れをしていたのだった。

持って行った土産の菓子を、美味しそうに食べてくれたのが嬉しかった。

 

 

介護施設に入っていたのが容態が悪くなったことで病院に移りひと月ほど経った頃、医師からあと3日もつかどうかという話があったという。

そのタイミングで、母を含めたごく近しい親族は現地に集まり、入れ代わり立ち代わり病院に詰めるようにしていたそうだ。

それから1週間ほど経っての最期(もって3日と見立てた医者が驚くほどの頑張りだったらしい)だったので、集まっていた親族たちも、"その時"に対する心構えがそれなりにできていたように思う。

また、特に苦しむこともなく、長い眠りとほんの少しの覚醒を繰り返した末の最期だったことも、見送る側の負荷を軽くしてくれたのだろう。

葬儀に参列する為に向かった私が、祖母が住んでいた家へ着いた時、取り乱したような人はおらず、寧ろ、笑顔の多い空間が待っていたのが印象的だった。 

祖母もよく笑顔でいる人だった。

 

私の人生で初めて参列した葬儀だった。

祖母はクリスチャンだった為、葬儀はその作法に則って執り行われた。讃美歌というものは、慶弔を区別しないのか、など諸々の幾つかを興味深く感じたりもした。

冷静にその死を受け止める自覚を持ちつつも、やはり込み上げるものはあり、子供の頃に遊んでもらった懐かしい知人と話をしながら目頭が熱くなることもあった。

お別れの礼拝は祖母が通っていた小さな教会で催され、その会場が一杯になる程の人達が集まった。

親族の他は主に教会で関わりのあった方がほとんどで、私の知らない祖母の送った日々が偲ばれたりもした。

 

火葬に際して、棺に祖母へのメッセージを書いた紙を入れようという話になっていた。

何を書こうか、祖母との思い出を辿る。まず浮かんでくるのは数々の料理だった。

祖母から送られてくる荷物にもよく入っていた手作りのばら寿司やパウンドケーキ。毎回違うすごくテキトーな作り方ながらすごく美味しいお好み焼き。手間がかかって面倒だと母は作ってくれない酢豚。などなど。

私の食い道楽はこういう所から形作られていたんだなぁ、と微笑ましくも思う。

しかし、そういう話は既に従兄弟が書いていたのだった。同じことを書いても芸がないかと他のエピソードにまつわるメッセージを紙に書き記した。

その紙は祖母と共に灰になった。

 

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祖母が火葬された日の空は、こんな見事な秋晴れだった。

 

 

祖母は岡山の児島に住んでいた。本州と四国を結ぶ瀬戸大橋の、本州側の根っこにある街だ。 (上の写真に見える橋が瀬戸大橋だ)

今はジーンズで有名になっているが、私の子供の頃はそれ程でもなく、ただ縫製の盛んな土地ではあり、祖母もその界隈に携わっていた。

祖母は母が子供の頃に夫を亡くしており(だから私は母方の祖父については話でしか知らない)、縫製の工場(こうば)を切り盛りして、女手ひとつで母とその姉を育て上げた人だった。

自宅と繋がったその工場は、雇っている人もひとりふたりくらいの小さいものだったが、材料である布の巻かれた大きな筒や家庭用とは違う形のミシンが並ぶ様は童心にはとても面白い場所に映り、よく潜り込んでいた。そこで帳簿の整理などをしている祖母は、いつもと違う仕事の顔をしていた。

ちょっとした枯山水のある立派な庭もあり、子供の頃の滞在中はその水やりが日課だった。祖母は菊の鉢植えを育てることに凝っており、10以上も並ぶ鉢の根元にちゃんと水を与えるよう注意されたりもした。

そんな色んな思い出の残る家に住まう人は、もう誰も居なくなった。

 

葬儀の翌日、児島の街をひと巡りした。祖母がよく連れて行ってくれたうどん屋はまだ残っていた。中華料理店と焼肉屋はもうない。

変わったもの。変わらなかったもの。思い出の答え合わせをするかのように、グルグルと歩いて回った。

そして、祖母の居なくなったこの街に私が訪れることはこれから何度あるだろうか、そんなことを自問しながらその土地を後にした。

 

 

すっかり思い出すことも少なくなっていた思い出をできる限り手繰った、そんな数日だった。

ではまた、その内。