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No.33

特にテーマはございません。日常で見たり聞いたり考えたことを、徒然なるままに。

心の研究

私は、自分の胸に注射の針を突き立てて、中に溜まっているモノを採取した。 それは真っ黒な液体で、ドロドロとした質感をしている。 そのドロドロを小さな試験管に詰めて、分離機にセットする。スイッチを入れる。 機械が働いている間に食事を済まそうと部屋…

冬の歌

「ハーッと吐くと息は白くなるけど、フーッと吐くと白くならないんだよ」 雪でもふり出しそうな鈍色の空の下、ふたり並んで歩いていた。 私がそう教えると、あのヒトは半信半疑ながら口をすぼめ、透明な息を吐いた。 続けざま、今度は大口を開けながら白い息…

ある雨の日、冬

冬の雨は冷たい。そう思っていた。 その日は朝から雨。 春の足音もまだ聞こえず、寒さがまだしっかり居座っている頃で、冷たい風が吹いていた。 私は傘を差し、待ち合わせのカフェへ向かっていた。 約束の時間に遅れそうだったので、ちょっと小走りに。 揺れ…